My name is I LOVE YOUマイネーム イズ アイラブユー

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Outline

What’s 「MY NAME IS I LOVE YOU」
本作は快快の前身である「小指値」の第2回公演(2005年5月)がその初演にあたる。
初演時、出演する俳優たちは台詞を発せず、そのほとんどを感情的な動きによって表現し、すべての台詞を発するのはナレーターの男性1名のみという手法が注目を集めた。
台詞を奪われた、訓練されていない未熟な身体から生まれた動きの数々はダンスと呼ぶにはあまりにも生々しく、逆にその生々しさゆえ登場人物らの感情が剥き出しとなって見る者の胸に迫ってくる。
この身体表現をメインに据えた演出方法は後の小指値、快快の今を決定づけたと言っても過言ではない。

あらすじ
近未来、TOKYO、渋谷、ハチ公前、「私は君が好きだ」と思う、その気持ちを巡るシンプルなストーリーを「読む人がいて、動く人がいる」という手法を使って描いた作品。
それによって生じた体と言葉の「ズレ」がコミカルであり、また切なくもある。誰でも共有できる普遍的なものだけれど、特別視されてもいる、愛というものの話。

演出意図
この物語は、役者が話す代わりに『声』によって語られる。
また『声』は私たちの母国語すらしゃべらない。
一般的に世界共通語とされている英語を話すが、それも最低限のレベル(日本の教育でいう中学3年生レベル)での単語しか使わない。
いわば、記号化された言葉としての『声』だ。
だから、この『My name is I love you』という舞台では、役同士がコミュニケーションをとるのが難しく、そこに隙間が生まれる。
私は、その隙間こそが愛だと思う。
私たちは普段でも隙間を身体で埋め、時間で埋め、共通の物語で埋めたいと願う。
これはどこにでもある、けれど隙間ゆえに見えない愛を探す物語だ。
東京より、愛をこめて 篠田千明

日本人初の快挙!!
Winners of the ZKB Patronage Prize 2010 を受賞

(国際交流基金Performing Arts Network Japan より転載)

『My name is I love you』がチューリヒ・シアター・スペクタクルの新人賞「ZKB Patronage Prize」を受賞。
スイスの国際舞台芸術フェスティバル「チューリヒ・シアター・スペクタクル」の新人賞「ZKB Patronage Prize」を快快の『My name is I love you』が受賞した。
受賞者の未来の活動を支援するため授与される賞金は30,000スイスフラン(約250万円)で、これまでの受賞者はStefan Pucher、400asa、Marco Berrettini、Sarah Michelson、生活舞踏工作室、Young Jean Leeなど。
日本人では初の受賞となる。

 審査基準は「ユニークな世界を舞台上に創り出していること」と「ユニークな舞台芸術表現の発展と成果ある探究へのポテンシャルを作品が示していること」。受賞理由は以下のとおり。
 
「『My name is I love you』はハイテクで資本化された世界における日常生活を表現力豊かに描写しており、ストーリーテリングの実験的で、高速で、軽快で、エキサイティングな形式を成立させている。
超領域的で新鮮なやり方で、このカンパニーはマンガ、身体言語、ヴィデオアートなどのジャンルを混ぜ合わせている。舞台のポップな美学的、感覚的刺激は、東京の都会のジャングルで生きるハイテク世代の若者のけばけばしいライフスタイルを反映している。
ここでは、主体は金銭と愛を同一視する消費者的ライフスタイルを通して自己を確立するのである。快快は成果主義社会の幻惑や倒錯と戯れ、それを巧みにスタイリッシュで、ユーモラスで、紋切型のパフォーマンスへと変容させる。
半分人間、半分ロボットのようなパフォーマーたちは操り人形のように見え、消費社会と愛への憧憬の馬鹿馬鹿しさを反映している」。

Information

Cast

2009年
英語版リマスター初演
@GOTANDA SONIC

作:北川陽子
演出:篠田千明
出演:天野史朗/大道寺梨乃/中林舞/野上絹代/山崎皓司/NAGY OLGA
舞台監督:佐藤恵
美術/映像:佐々木文美
音響/照明:快快
衣装:藤谷香子
振付:野上絹代
宣伝美術:天野史朗
写真:加藤和也
会場デコレーション:佐々木文美/KANATIN+rinoooooooooo
faifaiせーさく/ウィンドウディスプレイ:山本ゆい
協力:株式会社A.C.O.

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